村には、たまごがすんでいて、
成長するたび、
個性的なヒビの模様がついていく。
ヒビがはいると、
ときどき、痛んだり、
ときどき、涙がこぼれたりする。
だけど、ぼくたちは幸せなのさ。
今、じぶんが卵であること。
卵から孵ることが夢なんだ!
たまごから孵ったとき、
みんなが喜んでくれる。
それが、どんな花でも、ヒヨコでも、
光なんだ。
光は、ずっと光ってない。
暗い影の中で光ることだけが、
役目じゃないの。
誰かの光をみることも、ひかり。
また、種がうまれて、
ひかりはめぐる。